嗜好調査アンケート2023「White Floral」

栄香料では毎年テーマを決め、一般の方(300~400名)へ嗜好調査を行っています。
対象の香りは市場の製品ではなく、テーマを元にフレグランス研究開発室で開発したオリジナルの香りです。
香りは人それぞれ好みが異なる上、流行にも影響されてしまいます。好みの傾向を把握するためにアンケートを実施し、少しでもお客様の商品開発のご参考になれば、という思いで2009年より継続的に行っています。
今回は2023年に実施した『ホワイトフローラル』がテーマの調査結果について紹介します。
目的
ジャスミンやスズラン等の白い花をイメージする『ホワイトフローラル調の香り』は、清楚な印象や高級感、石けん様の清潔感を与える香りとして人気があり、香粧品ではリクエストの多い香調のひとつです。
一方で、「ホワイトフローラル調の香り」を調香する際に多用していた重要な原料が、国際香粧品香料協会(IFRA)の自主規制で大幅に制限されただけでなく、使用を禁止にする国や地域もでてきたため、「爽やかな甘さを持ち合わせたホワイトフローラル」の調香が難しくなりました。
『香りのアンケート2023』では、これからも「嗜好性の高い香りを創造し、提供していきたい」という思いから、
・上記原料を使わずに調香した香料で嗜好調査を行うことで、今後の方向性を探ること。
・ホワイトフローラルの香りをもっと香粧品にお使いいただくこと。
を目的に、調査しました。
調査概要・結果
アンケートにはホワイトフローラルタイプの香料5種(A~E)を用い、下記のような質問をしました。
・嗜好性(好きか嫌いか)
・使用意向(この香りを使ってみたいかどうか)
・香りのイメージ(優しい、華やかなどのキーワード)
・色のイメージ
など。
年代別や性別での評価結果も収集しています。
また今回は「ホワイトフローラル」と聞いて思い浮かぶ花についても質問しました。
結果、一番多く回答されたのはユリの花でした。
しかし市場を見るとホワイトフローラル調の製品でもユリの香りはあまり多くありません。
花のイメージと、製品への汎用性なども興味深い結果でした。
嗜好調査と併せて毎年『お気に入りの香りの商品』を自由回答で記入していただいています。
この結果をみると香りの流行の変遷や、その時代背景との関連性なども垣間見え面白い傾向がうかがえます。
私たちはこれらの結果を資料にまとめ、お客様向けにプレゼンテーションを行っています。
お客様の中には、毎年楽しみにしてくださっている方も多くいらっしゃいます。
今後も様々なテーマを設けお客様の期待に応えられるよう、また新しいお客様にも興味を持っていただける一端となるよう調査を継続していきます。