キンモクセイのボディケア製品

古来より人々に好まれてきたキンモクセイの香り
キンモクセイはその香しさから、ジンチョウゲやクチナシと並んで日本の三大芳香木のひとつに数えられています。学名は「Osmanthus」で、ギリシャ語の「osme(香り)」と、「anthos(花)」が由来となっており、香りが遠くまで届くことから、「千里香(せんりこう)」という呼び名もあるようです。それだけ香り高く、長く香るということですから、香料として素晴らしいポテンシャルをもっていると言えます。
暗中模索の香り創り
ボディケア用の「リアルなキンモクセイの香り」のご依頼をいただきましたが、その時の季節は真冬。本物の香りを嗅ぐことは叶わないため、天然のキンモクセイ精油をお借りし、それを模倣することになりました。しかし、精油は抽出の過程で香りが変化してしまうものなので、そのまま模倣しても、本物のキンモクセイのイメージとは異なってしまいます。
模倣したサンプルに、さらに改良を加えることになりました。弊社で過去に作製したキンモクセイの香料やキンモクセイを謳った商品を嗅いだりしながら、記憶の中のイメージを手繰り寄せ、理想に近づけていきます。朝一番にサンプルを嗅いで、あの秋の空気を感じられるか?想いを馳せる日々が続きました。

大きな課題となったのが、フレッシュな香りを再現することでした。生花は新鮮な香りを生成しますが、製品は塗ったそばから徐々に香りが飛んでしまいます。また、ボディケア製品として日常的に使用するなら、重すぎない香りが理想的です。そこで、ビターオレンジやベルガモット等のシトラスノート、りんごのようなフルーティグリーンノートを付与することで、フレッシュで爽やかな香りを再現することができました。
その後、無事に採用して頂き、製品化されました。通販サイトやSNSでは「本物っぽい」「理想のキンモクセイ」など好評をいただいております。